2013年10月19日土曜日

「中国のメンツ立て」に動いた安倍首相:敗戦の中国を追い詰めないように  

_

●17日、日本の靖国神社で秋季例大祭が始まったが、安倍首相は参拝せずに「内閣総理大臣」の名義で真榊を奉納した。写真は靖国神社。


尖閣問題の一年を振り返ると客観的にみて日本の利、中国の損で推移している。
時とともに最近は中国の負けが濃厚に顕在化してきている。
「窮鼠猫を噛む」ということもあり、
あまり中国を追い詰めるのは日本政府としてはよくないだろう。
逃げ場を失ってかたくなになり始めているのが今の中国でもある。
対話を拒んでいるのも負けを認めることの苦さによるものであろう。
これ以上追い詰めてはいけない。
少し、深呼吸ができるくらいのゆとりを与えないといけない。
そこで、外交的配慮が入ってくる。
強いときは実行してもいい。痛手がない。
弱ったときは、一歩引いて、分を持たせるようにしないといけない。
相手の負けがこんできたときにやるのは後々の外交的なマイナスになる。
華を持たせて、一息入れて相手の立ち直りを待つ、というのが外交である。
その辺の緩急の使い分けができるかどうかが、外交というもののあり方になる。
直球一本では外交は息が続かない。
ときには、相手にヒットを打たせる球も投げないといけない。
結果はいつもフィフテイフィフテイになり、ちょっと勝つようにもっていくことが外交である。
そのセオリーを破った尖閣デモはいま中国をじわじわ苦しめている
そして同じくセオリーを破ったゆえに、
 これからとことん韓国自身が苦しむことになるであろう。


レコードチャイナ 配信日時:2013年10月18日 11時55分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78039&type=0

安倍首相、靖国参拝の機をうかがう
=3度見送りも「考え方に変化なし」―中国メディア

2013年10月17日、日本の靖国神社で秋季例大祭が始まったが、安倍首相は参拝せずに「内閣総理大臣」の名義で真榊を奉納した。
18日付で環球時報が伝えた。

日本メディアは「安倍首相が靖国参拝を見送るのは3度目」と報じた。
これまで春季例大祭、終戦記念日、秋季例大祭と参拝を見送っていたが、これは中国と韓国に配慮したものとみられている。
しかし、韓国外交通商部の趙泰永(チョ・テヨン)報道官は17日、「すべての韓国国民はこれを認めない」と反発する姿勢を示している。

安倍首相は選挙の際にも靖国神社へ参拝する意欲を示しており、今回の見送りも首相官邸の大多数が反対したことによるものである。
17日には菅義偉官房長官が「安倍首相は自身の考え方を変えてはいない」と述べ、参拝の見送りは「大局的に判断した」と強調した。
安倍首相は依然として諦めておらず、参拝の時期をうかがっている。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/10/19 10:22
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/19/2013101900700.html

【社説】流行になった日本政治家たちの靖国参拝

日本の超党派の国会議員でつくる「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」に所属する衆参両院の議員159人が18日、靖国神社の「秋季例大祭」に合わせて靖国神社に参拝した。
安倍晋三首相は、参拝はしなかったものの、前日に供え物を奉納した。
日本政府の閣僚からは新藤義孝総務相が参拝した。

靖国神社には、太平洋戦争のA級戦犯14人が合祀(ごうし)されている。
A級戦犯とは、「平和に対する罪」を犯したとして戦後の極東国際軍事裁判で死刑判決を受けて処刑された7人と、終身刑とされ服役中に死亡した7人だ。
日本の政治指導者たちがこのような場所に参拝してこうべを垂れるのは、侵略の歴史を否定する行為だ。

「靖国神社に参拝する議員の会」は毎年、春と秋の例大祭と8月15日(日本の終戦記念日)の3回、靖国神社に参拝している
。昨年12月に安倍政権が発足するまでは、参拝する議員の数は50-80人程度だったが、今年4月の春の例大祭では168人、8月15日には102人と、以前の2-3倍に急増した。
この日参拝した159人という議員数も、秋の例大祭としては1990年以来最大だという。
日本の政治家たちの間では、
これ以上周辺国や国内の良心的な声に配慮せず、
心置きなく靖国に参拝する
というのが流行になっているようだ。
このままでは日本の首相が堂々と靖国に参拝する日もそう遠くはないかもしれない。

日本の政治家たちは「国のために犠牲になった人々のことを思って参拝するのに、何が問題なのか」と主張する。
多くの日本国民も同じ思いだという。
それならば、靖国の戦犯たちをまずは分祀すべきだ。
しかし日本では、戦犯分祀論は議論だけで終わってしまった。
神社側が反対したからだというが、実は日本の政治家たちに、戦犯を分祀するつもりがなかったからだ。
もし日本が本当に周囲の目を気にせずに戦犯の前でこうべを垂れるというのなら、戦争の相手国だった米国に対し「米国と戦った戦争は正しかった」と堂々と言うべきだ。
それができないにもかかわらず、罪もないのに苦しめられた被害国の国民の傷口に塩を塗るような行為を繰り返すのは、実に卑怯だ。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/10/19 10:24
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/19/2013101900705.html

日本の国会議員159人が靖国参拝
新藤義孝総務相も参拝…中国、日本大使呼び抗議

新藤義孝総務相をはじめ日本の与野党国会議員159人が18日、靖国神社の秋の例大祭で集団参拝した。
靖国神社は太平洋戦争を起こしたA級戦犯が合祀(ごうし)されている。
17日から20日まで秋の例大祭が行われているが、安倍晋三首相は参拝する代わりに17日、5万円相当の「真榊(まさかき)」と呼ばれる供物を奉納した。
新藤総務相は参拝後の記者会見で
「戦争に命をささげた方を追悼し平和を祈る気持ちで参拝した。
個人の立場で、私的参拝を行った。
外交上の問題になるとは全く考えていない」
と述べた。
新藤総務相は2011年8月に、独島(日本名:竹島)を日本領土だと主張するため韓国に入国しようとして拒否されている。

「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」所属議員159人も同日午前、集団で靖国に参拝し、高市早苗自民党政調会長や加藤勝信官房副長官も参拝した。
この会は毎年春と秋の例大祭と8月15日の終戦記念日に靖国神社に参拝している。
今年4月の春の例大祭には過去最高の168人が参拝した。以前は50人ほどが参拝していたが、安倍政権発足後は参拝する議員が急増している。
韓国外交部(省に相当)はこれについて
「政治家が過去の侵略の歴史を正当化する靖国神社を参拝してはならない」
と述べた。
中国外務省の劉振民次官は日本の木寺昌人駐中国大使を呼び抗議した。

一方、安倍首相はこの日の国会答弁で、日本の過去の植民地支配や侵略について
「わが国がかつて多くの国々、特にアジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えたとの認識は安倍内閣も同じだ。
歴代内閣の立場を引き継ぐ。
戦後の日本は深い反省の上に自由・民主・基本的人権と法の支配を尊重する国を作り、平和国家の道を歩んできた。
今後、わが国は国際協調主義に基づく積極的平和主義の考えのもとに、地域や国際社会の平和や安定により一層貢献していくべきだ」
と述べた。
積極的平和主義とは、集団的自衛権の行使などにより軍事的役割を強化するということだ。

 
 なを、見てみると韓国へのメンツ立てはまったく考慮されていないように見える。
 もし、韓国からだけの抗議なら無視して実行されたような雰囲気がある。
 それはいいとしても、
 なにか、潰してしまえ!、と言った雰囲気が見え隠れする。
 これはちょっと危険だ。
 外交の失敗で韓国が苦しむのはこれは已む得ない。
 おのが犯したミスだ。
 しかし、
 外交とは己の生き様と相手の生き様を考量して、できる限り見た目で五分五分で収めるものである。
 なぜなら、絶対に相手国が地球から消えることはないのだから。
 最後まで地球上の友人として過ごしていかねばならないからである。


レコードチャイナ 配信日時:2013年10月20日 10時48分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78104&type=0

安倍首相、現実主義外交に方針転換する可能性―中国メディア


●17日、安倍首相は靖国神社参拝を断念し、「内閣総理大臣」名で「真榊」と呼ばれる供物を私費で奉納した。安倍首相が客観的情勢に迫られて価値観外交から現実主義外交に方針転換する可能性があることを示す兆しだ。写真は靖国神社。

 2013年10月17日、環球時報によると、安倍首相は靖国神社参拝を断念し、「内閣総理大臣」名で「真榊(まさかき)」と呼ばれる供物を私費で奉納した。
 また外交問題が緊迫化する中での参拝は「時期的に適切でない」と表明。
 15日の所信表明演説では憲法改正や集団的自衛権の問題に言及しなかった。
 安倍首相が客観的情勢に迫られて価値観外交から現実主義外交に方針転換する可能性があることを示す兆(きざ)しだ。
 (文:凌星光(リン・シングアン)福井県立大学名誉教授)

 安倍氏は首相に返り咲いて以来、価値観外交を積極的に推し進め、中国周辺国をくまなく回って「中国の脅威」を宣伝。
 日本の技術とインフラを売り込むと同時に、「中国の対外拡張を共同抑制する」ための抱き込み活動を積極的に展開してきた。
 先日のASEAN首脳会議では元々、米国と共に大きな働きをして、ASEAN諸国の支持の下で中国に「行動規範」を受け入れさせることを望んでいた。
 だが予想と異なり、ASEANの多くの国は中国の主張を受け入れ、日米の主張に共鳴したのはフィリピンだけという結果に終わった。
 そのフィリピンの大統領も李克強(リー・カーチアン)首相と直接会って話をした後、対中関係を改善する意向を表明した。
 日本は相対的に孤立状態に陥ったと言える。

 自民党で安倍首相と同じ派閥の野沢太三元法務大臣は以前筆者に
 「安倍首相は自分の考えに固執する人ではなく、状況を見て現実主義外交を行うだろう」
と語った。
 この指摘から見て、安倍首相は現在、現実外交へ転換する要の時にあるようだ。
 日本メディアの論調を見ると、その原因として以下の3点が挙げられる。

第1に、安倍首相と日本のメインストリームは日本の力を過大評価し、経済援助カードを出せば中国周辺国を抱き込んで中国に圧力を加え、譲歩を余儀なくさせることができると考えていた。
 だが各国は経済援助は歓迎したものの、中国牽制には別に興味を示さなかった。
 その上、中国は日本のつまらない策略を無視し、後から打って出て日本を制し、王道方式で日本外交の余地を狭めて、日本を手の打ちようのない状況に追い込んだ

第2に中韓が連携して日本に圧力を加えた。
 日韓間には様々な問題があるが、韓国は朝鮮の脅威に直面しており、日米、米韓軍事同盟の枠組みから逸脱することは決してないと日本はずっと考えていた。
 だが今や、中韓両国は戦争認識問題で「統一戦線」を結成して、日本に大きな圧力を感じさせている。

第3に、米国は日本よりも中国を重視している。
 6月の8時間におよぶ習・オバマ会談によって、米国が中国をより重視していることが明らかに示された。
 先日のAPEC首脳会議とASEAN首脳会議にオバマ大統領が出席しなかったのは、中国指導者との対立を回避するためだった可能性があり、日本知識界は日米安保条約への懸念を深めた。

 それでもわれわれは、安倍首相とそのブレーンの中国との対立の意図をしっかりと推し量る必要がある。
 安倍首相のブレーンの1人、北岡伸一氏は最近、現在の日本にはかつて軍国主義を歩ませた条件が当てはまらないが、中国には当てはまると指摘した。
 昨年9月以降中国の講じた反撃措置および極めて大規模な軍事演習は日本に重大な衝撃を与え、中国が平和的発展路線を継続しない可能性を懸念する声が日本人の間で一般的になった。
 北岡氏の論調は欺瞞的であり、中国はこれを等閑視してはならず、理論闘争を強化しなければならない。

 筆者は一貫して、日本に安定政権さえ登場すれば、日本外交を戦略的に検討する余地が生じると考えてきた。
 安倍政権は長期政権になる可能性が高く、戦略的に日中関係を調整する好機にあると言える。
 われわれは安倍首相の右派としての本質に目を向けると同時に、客観的情勢に迫られて現実主義に転換する可能性にも注意を払う必要がある。

(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/TF)


 中国に「日本は相対的に孤立状態に陥ったと言える」と言わしめることができれば中国のメンツは立つ。
 原因として上げている3点も日本としては「してやったり」だろう。
 実質内容はまったく逆だが、中国がそう解釈すればいいことである。
 そう解釈することで、中国は安心する。
 解釈が現実にフィットするかどうかなんてことはどうでもいいことである。
 本人がそう思い込んで 「メンツが立つ」 ことになればそれにこしたことはないであろう。
 靖国神社参拝なんて、問題としては屁でもないことである。
 してもいいし、しなくてもいいことである。
 それで、相手に面子ポイントを稼せがせられるならばこんなベターなことはない。
 日本はそれで外交ポイントを稼いだということでもある。
 尖閣灯台といい、靖国神社といい、中国が大騒ぎする分、使える手札が溜まっていくことになる。