2013年10月31日木曜日

韓国人の愛国心をくすぐる詐欺が新登場: 「独島(竹島)は韓国のもの」

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●独島の日を紹介するポスター


JB Press 2013.10.31(木)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39056

韓国人の愛国心をくすぐる詐欺が新登場
「独島(竹島)は韓国のもの」でフィッシングサイトへ誘導

先日、友達からスマートフォン(スマホ)の無料通信通話アプリ「カカオトーク」に団体メッセージが送られてきた。

 最近友達の携帯電話がほとんどスマホに替わってからは、みんなで一緒に楽しみたいネットで流行っているユーモアや名言、ゴシップなどが送られてくる。

 暇なときに内容を確かめてみると、「独島関連の悪性詐欺メールに関する注意報」と書かれていた。ご存じの通り、独島は日本では竹島と呼んでいて、日本と韓国の2国間で領土問題になっている島である。

■独島の日、10月25日を狙った詐欺メール


●スマホに送られてきた「緊急速報」

 メッセージの内容は以下の通りだった。

********緊急速報********

 新種の詐欺についてお知らせします。

 本日、日本政府が国民を相手に独島に関する世論調査をしたのですが、61%が「独島は日本の領土だ」と言ったそうです。

 これをチャンスとばかりに電話をかけてきて世論調査をすると言い、
 「独島は誰が何と言っても韓国の領土、で合っていれば1番、違っていれば2番を押してください!」
というコメントが出れば、誰もが何も考えず1番を押してしまいます。

 しかし、1番のボタンを押した瞬間、25万ウォン(約2万3000円)の通話料を取られてしまいます。
 仰天の新種詐欺です。
 国民の愛国心を利用した悪い詐欺なのでどうか気をつけてください。

 コピペして周りの人たちに速やかに伝えてください。KBS

注].KBSとは韓国のテレビ局である。
****************

 早速なぜこうしたメッセージが送られてくるのか調べてみると、韓国では10月25日が独島の日であり、それにかこつけた詐欺だった。

 ちなみになぜ10月25日が独島の日であるかというと、高宗皇帝が1900年10月25日、勅令で独島が鬱陵(ウルルン)島に属する大韓帝国の領土であることを宣布したからだという。

 10月25日が独島の日だとは、上記のメッセージを受けるまで全く知らなかった。

■一部の人だけが知る独島の日

 2000年に民間団体である独島守護隊が「独島の日」を指定し、2005年から国家記念日制定のために署名運動を開始し、2008年に法案が国会に上程され、2010年韓国教員団体総連合会が16の都市の教員団体総連合会、ウリ歴史教育研究会、韓国青少年連盟、独島学会と共同で全国単位の「独島の日」を宣布したという。

 したがって、全国的に知られているというより一部の人間が知っていたわけだ。

 さて、上記のように携帯電話などのSMS(ショートメッセージサービス)を利用して権威のあるサイトのふりをし、フィッシングサイトに誘導しようとするオンライン詐欺の手法をスミッシング(Smishing)という。

 スミッシングでは、公的機関やオンラインショップなどを装ってユーザーのモバイル端末にショートメッセージを送信し、アカウント情報の確認のためなどと称して偽の連絡先へアクセスさせ個人情報を盗み取る。

 現在、韓国ではこうしたスミッシングによる詐欺が横行している。

 例えば、結婚のお知らせにかこつけた「結婚式招待状スミッシング」の場合、結婚というおめでたいことにかこつけて、詐欺を働く。

 これと似ているのが、「1歳誕生祝招待状スミッシング」である。
 韓国では1歳の誕生日は親戚や知人たちを集めご馳走を振る舞う習慣があるので、そうした招待状なら知らない番号でも引っかかってしまう場合がある。

■道路公団や裁判所などをかたる悪質な詐欺

 また、権威のあるサイトとしては、「韓国道路交通公団」「裁判所」「国民健康管理公団」などがある。
 道路交通管理公団からは「交通違反チケットの案内」、
 裁判所からは「刑事訴訟による裁判所出席要求」、
 国民健康管理公団からは「無料のがん診断」
という様々な形態のスミッシングがはびこっている。

 個人に対して無料のコンピューターアンチウイルスを開発・配布している「アンラボ」によると、
 スミッシング被害を最小化するためには、
 ショートメッセージやメールにあるURL実行の自制、
 モバイルワクチンでスマホを周期的に検査、
 知らない出所(ソース)の許容禁止設定、
 スミッシング探知専用アプリのダウンロード
などが必要だという。

 そして、もし被害に遭った場合、被害に遭ってから2週間以内に警察署で「事件事実確認願」をもらい、通信会社に提出すると補償してもらえるという。

 だが、問題はそれほど簡単ではない。
 警察署から「事実確認」を受けたとしても、通信会社や決済代行会社に払い戻し規定が強制的ではないので、両者が罪のなすり合いをして、結局返してもらえない場合もある。

 詐欺は人の弱点を突いてくるものが多いが、冒頭の愛国心を刺激するスミッシングはまさに新しい手法と言える。

 10月25日の直前というタイミング、独島という韓国人の最も自尊心をくすぐるキーワード、今回のスミッシングを考えた人たちのずる賢さには思わず脱帽してしまう。

Younghee Ahn(アン・ヨンヒ)
JMM、朝日新聞などでコラムを書いたことがあり、現在は国際会議の同時通訳のかたわら、梨花女子大学、ソウル同時通訳大学院大学で教鞭をとっている。