2014年2月1日土曜日

漢字を知らない韓国人:名前すら書けない、「図書館資料の90%は死蔵される」

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朝鮮日報 記事入力 : 2014/02/01 07:54
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/02/01/2014020100124.html

【萬物相】漢字を知らない韓国人


 「朦朧(もうろう)」という単語がある。
 辞書には「ぼんやりしていること」と書いてある。
 朦とは「月が昇るときのちらつき」、朧とは「月が沈むときのちらつき」のことだ。
 そのため「朦朧」とは、夕暮れや明け方ごろ、月の周りが白っぽくかすんで輪郭が分からない状態のことを指す。
 「朦朧」は、韓国ではほとんど固有語のように使われており、あえて漢字で表記する必要はない。
 しかし単語の由来を知れば、意味は一層はっきりと理解できる。

 大多数の韓国人は、こうした言語の面白みを十分味わえずにいる。
 学校では40年以上も漢字教育が行われず、漢字を理解できない状態になっているからだ。
 北朝鮮の攻撃で爆沈した韓国海軍の軍艦「天安」は、哨戒艦だった。
 地方のある国立大学で、国文科の教授が講義中、哨戒艦とはどのような任務を帯びた船かと学生に尋ねた。
 正解したら成績に5点プラスすると言ったが、誰も答えられなかった。
 「見張りの哨」「警戒の戒」ということを知っていれば、簡単に点数をもらえる問題だった。

 ある雑誌で「車両用ブラックボックス先端技術戦争」という記事を見掛けた。
 タイトルに「ナビゲーションの前轍(ぜんてつ)を踏む」とあった。
 「前轍を踏む」とは、先人の失敗を繰り返すという意味だ。
 カーナビの過当競争でメーカーがつぶれたように、ブラックスボックスも同じ道を歩むという話かと思ったが、そうではなかった。
 カーナビが道路地図帳を押しのけてドライバーの必需品になったように、ブラックボックスも必需品の座に上るだろうという内容だった。
 記事のライターは「前轍を踏む」を正反対の意味で使っていたのだ。

 歯医者に行って「親知らずを抜いてほしい」と言うと「抜歯なさるんですね」と言われる。
 歯を抜いて出てくると「次の来院日は…」といって日付を伝える。
 韓国古来の単語を使って簡単に言えることを、わざと漢字語を使い、本当に漢字の意味をきちんと理解して使うべきときにはトンチンカンなことを言っている。
 あるインターネットメディアが、UEFA(欧州サッカー連盟)チャンピオンズリーグのニュースを伝える記事に「選手の娘が、父親がゴールを決めたばかりのゴールポストの横で、忙中閑を楽しんだ」と書いた。
 「忙しい合間に暇を得て楽しむ」という意味の「忙中閑」が、この記事になぜ登場したのか、理解できない。

 本紙は新年特集で「漢字を知らない状態から抜け出そう」という連載をスタートさせた。
 「金九(キム・グ)先生は暗殺(アムサル)された」と言うと「がん(アム)で亡くなったのか」と尋ねる大学生もいるという。
 漢字教育の問題は、若い世代が両親の名前を漢字で書くこともできないと嘆くレベルにとどまらない。
 漢字を知らない人が増え、正常な言語生活を送ることもできない状況になりつつある。
 漢字教育反対論者も、自分の息子や娘、孫が漢字を知らず、おかしな言葉を使い続けることは望まないだろう。



朝鮮日報 記事入力 : 2014/02/01 07:59
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/02/01/2014020100125.html

名前さえ漢字で書けない韓国人

 1970年に「ハングル専用政策」が始まってから44年。
 今や、小学校で漢字を学んでいない最初の世代は50代に差し掛かった。
 20-30代はもちろん、40代すらも漢字になじみがない時代になったということを意味する。

 ソウルで暮らす成人男女の47.8%が、子どもの漢字名をきちんと書くことができない一方、この問題を深刻に感じて小学校の漢字教育に賛成する保護者は89.1%に達する、という統計結果もある。
 基礎的な漢字の意味を知らないため、意味が通じない「不通」現象が起こり、「漢字を知らないため知識拡張の道が閉ざされている」という深刻な問題提起もある。
 「漢字が分からない」現象をこれ以上放置していれば、測定不可能な社会的損失が生じるというわけだ。

 ソウルのいわゆる「名門大学」勤めるA教授は最近、ある学生と会話していて非常に驚いた。
 「金九(キム・グ)先生は暗殺(アムサル)された」と言うと、学生が「あの方は、がん(アム)で亡くなったのですか」と聞き返してきたのだ。
 暗殺という単語の漢字を知らなかったため、「ひそかに殺す」という意味だということも分からなかったのだ。
 A教授は「ハングル世代の悲劇が、今や来るところまで来たという感があり、ぞっとした」と語った。

■名前も専攻も漢字で書けない

 ハングル専用政策によって漢字が教科書から消えて44年、今や漢字は若い世代にとって、避けたい対象というだけでなく「宇宙語」あるいは「特殊文字」扱いを受けている。
 スマートフォンやタブレットPCからは漢字の入力システムが姿を消し、ハングルだけで誤記された単語が、正しい表記として「定着」するケースも多い。

 大学教授のB氏は少し前、学生に課題を出す際「なるべく漢字を多く使うように」と指示した。
 学生たちは、課題の表紙に自分の学科を「行正学科」(正しくは行政学科)、「火学科」(正しくは化学科)などと書いて提出した。
 「自分が専攻の学科で一体何を学んでいるのかすら知らない」というわけだ。
 別の大学で中文(中国語・中国文学)科の教授を務めるC氏は
 「大学4年生になっても、大韓民国を『大朝民回』と書くありさま」
とため息をついた。

 D教授は
 「ある学生が、書類を取りに洞事務所(地方自治体の支所)に行った際、職員が『(印鑑が必要だが)指章(指紋)でも構いません』と言ったのに対し『指章も持ってきていないんです』と答えたそうだ」
と語った。
 指章が「指」で押す「図章(はんこ)」のことだと知らなかったために、こんなやりとりが起きたのだ。
 「旅館(ヨグァン)」を「女子(ヨジャ)が住む家」だと勘違いしていたり、「カード決済」を「カード決裁」と書いたり、さらには「調印式」の「調印(ジョイン)」を英語のjoinのことだと思い込んでいるという話もある。
 成均館大学のイ・ミョンハク教授が2007年に行った調査では、大学の新入生の20.3%は自分の名前を漢字で書くことができなかった。

 大学院生も例外ではない。
 E教授は「助教(教授の雑務を手伝う大学院生アルバイト。日本でいう「助教」とは異なる)に『図書館に行って、国語学概論を探してくるように』と言ったら、手ぶらで戻ってきたことがあった」と語った。
 開架式の図書館で、書架をいくら探してみても、そんな本はなかったという。
 D教授は「漢字で国語学概論と書かれたタイトルを読めなかったためだということを後で知った」と語った。

■「図書館資料の90%は死蔵される」

 「漢字が分からない」状態の最大の問題点は、
 「知識の拡大」が不可能になり、知識を広げる道が閉ざされてしまうことだ。
 成均館大学中文科のチョン・グァンジン教授は
 「漢字語は韓国語の語彙(ごい)の70%、学術用語の90%以上を占めているのに、それを教えないというのは、近道があるのに回り道をするようなもの」
と語った。
 数学の場合、「楕円(だえん)」が「長めの円形」、「二等辺」が「2本の辺の長さが等しい」という意味だと知っていれば、単語から概念を把握し、入っていけるのだ。

 「図書館の衰退」を懸念する声もある。
 仁済大学のチン・テハ碩座(せきざ)教授(寄付金によって研究活動を行えるよう大学の指定を受けた教授)は
 「漢字が多く使われている1980年代以前の本を大学生が全く読めないということは、
 韓国各地の大学図書館に所蔵されている資料の90%以上が、そのまま死蔵されるということを意味する
 「政界や教育当局は、この問題の深刻さを認識し、まずは最小限の漢字教育から始めるべき」
と語った。



朝鮮日報 記事入力 : 2014/02/02 07:48
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/02/02/2014020200139.html

漢字を知らない若者、同音異義語の混乱が深刻
世代間コミュニケーションが断絶
ハングルだけで表記された漢字の同音異義語、意味を区別できず混乱
「文章を読めても意味が分からない」 小4で71%
語彙が崩壊すれば思考体系も崩壊

 「韓国社会の自由民主主義は不偏不党の崖っぷちに危険な状態で追い込まれている」(2010年4大河川開発事業阻止汎(はん)国民対策委員会声明書)

 この文言を見ても特におかしいと感じない人が増えている。
 「不偏不党」を「不便で不当」あるいは「不公正」という意味に認識してしまっているからだ。
 ところが「不偏不党」の本来の意味はそれとは異なり「一方に偏らず(不偏)、一方とは群れを成さない(不党)」つまり「公正」という意味だ。
 これは上記の一般的な解釈とは正反対だ。

■「義士」と「医師」、「陣痛」と「鎮痛」を区別できず

 これまで44年にわたり続いたハングルだけの教育が生んだ、漢字知識の欠落現象
 これが最近は社会でのコミュニケーションの食い違いを引き起こし、憂慮の声が高まりつつある。
 言葉の意味をしっかりと理解できないため、コミュニケーションの際に解釈の混乱を引き起こしているのだ。

 とりわけ若い人ほど漢字知識の欠落は深刻で、時には世代間でコミュニケーション上の混乱あるいは断絶まで引き起こしている。
 韓国語で発音・表記が全く同じ「義士」と「医師」を勘違いし、「安重根(アン・ジュングン)義士」について「その人は何科を診療していたのか」と質問してきたり、「靖国神社」の「神社」を、発音の同じ「紳士」と誤って解釈するケースなどがその典型例だ。

 『いよいよ、韓国経済が崩壊するこれだけの理由』の著者で「韓国についてよく知らないくせに韓国を悪く言っている」などと批判を受ける日本人の三橋貴明氏も「韓国では(発音・表記が同じ)『防水』と『放水』を区別できない」と指摘する。

 問題はこの「コミュニケーション不能現象」が、さまざまな分野で深刻な誤解と行き違いを招いているという事実で、これは時には特定分野の専門家の間でも発生している。
 ある大学病院に勤務するA教授によると、最近の若い医師たちは「妊婦の陣痛」と言うときに「陣痛」と「鎮痛」を区別できないという。
 「鎮痛」はもちろん「痛みを鎮める」という意味だ。
 A教授は「このままでは本当に大変なことになると思った」と語る。

 ソウル市内に住む主婦のBさんは先日、歌手で俳優のイ・スンギ(26)と少女時代ユナ(本名:イム・ユナ、23)の交際報道について、中学生の娘に「どうやって誰にも知られずあんなことができるのか分からない」と言った。
 すると娘はおかしいという顔で「あの人たちがそんなことをするのは当然じゃない」と言ってきたという。
 よく聞くと娘は「演芸人(芸能人のこと)」という言葉を、「恋愛人」という意味に理解していたのだ(ハングルでは「演芸人」と「恋愛人」は同じ表記になる)。
 大田市のある四年制大学では、学内で発行されている週刊英字新聞発行業務を担当する「主幹教授」のことが「Weekly Professor」と訳されていた。
 「主幹」と「週刊(Weekly)」はハングルで同じ表記になるからだ。

■「語彙(ごい)が崩壊すれば思考そのものが崩壊する恐れも」

 小論文の宿題を採点していた京畿道のある高校の教諭は、アフリカの飢餓問題をテーマにした生徒の小論文を読んで首をかしげた。
 「子どもたちは何日も食べられない哀歓を体験し」という文章があったからだ。
 この生徒は「哀歓」という言葉に「悲しみと喜び」という二つの意味があることを知らなかったのだ。

 つい先日、教育部(省に相当)とある地方の教育庁(教育委員会)の間で「体罰」の範囲について議論があった。
 「手を上げさせて立たせること」や「運動場を走らせること」を体罰と見なすかということだったが、「体罰」という言葉が「身体に直接痛みを与える罰(標準国語大辞典)」という意味を持つことをしっかりと理解していれば、このような議論は最初から起こらなかったという指摘もある。
 実際に現場では「身体的体罰」という言葉さえしばしば使われている。

 専門家によると、今のように漢字教育がしっかりと行われていない環境では、時がたつにつれこの種の誤解や混乱がさらに増える恐れがあるという。
 本紙が2010年にソウル市内の五つの小学校に通う4年生を対象に調査を行ったところ、71%が例文を読んでもその意味を正確に理解できなかった。
 韓国語の70%を占める漢字語の意味が分からず、文章を理解できない「読解不能現象」が表面化しているのだ。

 釜山大学の李炳銑(イ・ビョンソン)名誉教授(国語学)は論文で
 「『技能』と『機能』、『出家』と『出嫁(嫁に行くこと)』のように、ハングルだけで表記された場合に意味が区別できなくなる漢字の同音異義語は非常に多い」
とした上で
 「漢字教育をしっかりと行わなければ、(子どもたちの)思考力や探究力が弱体化し、語彙の体系が崩壊してそこから思考体系まで崩壊する恐れがある」
と指摘した。



朝鮮日報 記事入力 : 2014/02/02 07:58
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/02/02/2014020200142.html

「漢字音痴」脱出、日本の教育に学べ

目指せ「漢字音痴」脱出…日本と対照的な韓国の漢字教育
韓国「小学校で600字」と定めながら各教科書で範囲違い、学年別もあいまい

 日本の小学校では現在、1981年に制定された常用漢字(2010年に改訂)のうち1006字をレベルに合わせ各学年で学ばせている。
 韓国と違うのは、日本では「漢文」でなく「国語」教科書を使って漢字を教育しているという点だ。

 春川教育大学パク・セジン講師の論文「韓日の小学校の漢字教育比較研究」によると、日本の検定国語教科書5種では、1年生で(国語を)272時間(漢字80字)、2年生で280時間(160字)、3年生で235時間(200字)、4年生で235時間(200字)、5年生で180時間(185字)、6年生で175時間(181字)学習することになっている。

 学年ごとに「学習した漢字は文章の中で使えるようにする」という目標を定め、学習の負担が重くなり過ぎないよう段階的に区分しているため、非常に体系的な学習方式だと評価されている。
 もし小学校で1006字を習わないまま中学校に進学すれば、そこで新しく常用漢字を学ばなければならないという負担が生じるため、小学校のころから基本の漢字を徹底的に習うのだ。

 これに比べ、韓国の小学校の漢字教育は緻密(ちみつ)さに欠けると指摘されている。
 中学校の漢文の時間に習うことになっている900字の範囲内で「約600字」教えるよう規定されてはいるが、その600字の範囲は教科書によって異なる上、各学年で学ぶべき漢字が区分されていない。
 漢字の授業は正規課程に含まれておらず、各校の裁量による授業「創造的体験活動」として行われており、教育委員会の正式認定を受けた教科書は約10%という調査もある。
 さらに、教材に掲載されている漢字のレベルもバラバラで、小学校の言語生活では取り上げるのが難しい漢文領域を含む教科書もある。

 仁済大学のチン・テハ碩座(せきざ)教授(寄付金によって研究活動を行えるよう大学の指定を受けた教授)は
 「前政権で小学校でも一部の漢字教育ができるようにしたのは大きな成果だが、体系的な教育はまだ行われていない。
 小学校から韓国語の語彙(ごい)に出てくる基礎漢字1000字程度を徹底的に教育し、国語教育の正常化に取り組むべきだ」
と指摘している。



朝鮮日報 記事入力 : 2014/02/02 07:50
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/02/02/2014020200140.html

難しい古典ばかり教える韓国の漢字教育
教育課程は「漢字」なし
中高の漢文授業、昔の文章が中心
日常生活に必要な語彙が少なく、授業時数も削減
小学校での漢字教育、保護者の9割が賛成

 「談虎虎至であり談人人至だ(トラの話をすればトラが来て、人間の話をすれば人間が来る)」
 「天下の難得者は兄弟であり、易求者は田地だ(世の中で得難いのは兄弟であり、得やすいのは田畑と土地だ)」

 これらは現在、韓国で発行されている漢文の教科書に登場する文章だ。
 現代の実生活ではそれほど使わない難しい語彙(ごい)からなっている。
 ソウル市内の公立高校に通うキム・ジスさん(17)は
 「漢文の授業では、両親に聞いても意味が分からない文章が多く出てくる。勉強したところで役に立たないと思っている友人も多いし、修能(大学修学能力試験=日本の大学入試センター試験に相当)の選択科目で選ばない限り、十分に勉強することもない」
と話した。

■「漢文は習っても漢字は知らない」

 現在、韓国の中学校・高校の教育課程には「漢文」という科目があるが、その教育内容は現代の韓国語で使われる漢字語ではなく、古典の漢文が中心となっている。
 現在の教育課程は、中学校・高校の漢文科目の目標について
 「漢文についての基礎的な知識を身に付けるとともに、漢文の読解や言語生活に活用できる能力を養う」
 「先人たちの生きざまや知恵を理解し…伝統文化を正しく理解し、創造的に継承・発展させる態度を身に付ける」
と定めている。

 「漢文」を学ぶ目標自体が、現在韓国語の語彙の約70%を占める漢字語の読解ではなく、昔の漢文の文章を理解することに置かれているというわけだ。
 多くの大学生が「大韓民国」や「社会」といった基礎的な漢字語を読み書きできない理由はここにあった。
 成均館大学中国文学科のチョン・グァンジン教授は
 「『二等辺三角形』が『2 本の辺の長さが等しい三角形』であり、
 『照度』という言葉が『光の明るさ(照)を表す程度』という意味である
ことを知った上で数学や理科の授業を受ければ、漢字教育との連携性が大幅に向上する。
 しかし現在の漢文教科書にはそのような語彙が載っていない」
と指摘した。

■漢文教育の時間が減少

 2009年に改定された現行の教育課程では、漢文科目の授業時数が以前より削減された、と指摘する声も出ている。
 以前の教育課程では、高校の一般選択科目として「漢文」と「教練(国防・安全・衛生などに関する教育)」のうち一つ(6単位)を選択でき、また高度選択科目として「漢文古典」(6単位)を選択できた。
 ところが、09年に改定された教育課程(第7次)では「技術家庭」「第2外国語」「漢文」「教養」など、生活・教養分野の科目の中から16単位以上履修すればよいことになった。
 これにより、漢文を選択する機会が実質的に減ったというわけだ。

 啓明大学大学院のファン・ギモさんの修士論文『2009年改定教育課程による漢文教育の問題』によれば、教育課程が改定された後、大邱市内の高校のうち、文系クラスで漢文科目をそれまでと同じく6単位とした学校は31校から7校へと減少したという。
 また、理系クラスで漢文科目をなくした学校は1校から8校へと増加した。
 不十分ながらも実施されてきた漢文教育そのものをなくそうとしているというわけだ。

■保護者の89%「小学校で漢字を教えるべき」

 だが、保護者や教師たちは漢字教育の実施を強く求めている。
 韓国教育課程評価院が2009年、保護者や教員約5200人を対象にアンケート調査を行った結果、保護者の89.1%、教員の77.3%が、小学校での漢字教育の実施に賛成したことが分かった。
 小学校で漢字教育を行う利点は
 「語彙力の向上(35.4%)」
 「各教科の重要な概念の理解(27%)」
 「思考力の向上(3.8%)」
 「アジア諸国に対する理解や交流の促進(3.1%)」
 「人格の向上(2.5%)」
 「ハングルを正書法に合わせて使う上で役立つ(2.2%)」
の順だった。

 漢字教育の問題については、政界でも与野党に関係なく理解が深まっている。
 2009年、金鍾泌(キム・ジョンピル)氏から韓明淑(ハン・ミョンスク)氏、韓悳洙(ハン・ドクス)氏までの首相経験者21人のうち、20人の署名を集めた「小学校の正規教育課程での漢字教育を求める建議書」が大統領府に提出された。
 現在、小学校では各学校の裁量に基づき「創造的な体験活動の時間」を活用して漢字教育を行うことができるが、正規の教育課程には盛り込まれていない。


レコードチャイナ 配信日時:2014年3月22日 8時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=85328&type=0

韓国、漢字レベル低下で「文献」読めない学生急増
=ソウル市は「漢字教育の強化は韓国語教育の発展を阻害」

 2014年3月20日、韓国・亜洲経済によると、韓国の学生と求職者の英語のレベルは急速に上昇しているものの、漢字のレベルが落ち込んでいる。
 情報によると、学術文献の90%は漢字で書かれており
 多くの学生が、漢字レベルが低いことにより文献を読むことができないという。
 環球網が伝えた。

 報道によると、韓国では1990年以降“韓国語浄化ブーム”が起き、
 漢字の地位は日増しに低下している。
 ソウル市教育庁は2014年、3億2000万ウォン(約3000万円)の予算を組み、小中学校での漢字教育を強化する方針を示していたが、ソウル市議会はその予算の一部を削減した。
 市議会は
 「漢字教育の強化は韓国語教育の発展を阻害し、漢字の民間教育に良くない風潮をもたらす可能性がある
と説明している。

 報道によると、韓国語の単語には漢字語、固有語、外来語が含まれる。
 韓文学会が編纂する「大辞典」には合計16万4125語が収録されているが、
 そのなかで漢字語は8万5527語を占めており、その割合は52.1%に達する。

 韓国の公営教育メディア・EBSの関係者は、
 「言語能力を高めるためには、漢字の基礎を固めなければならない。
 漢字レベルが高くなければ、漢字語の意味を十分に理解し、自らの思考力を高めることはできない」
としている。



サーチナニュース 2014-03-22 06:30
http://news.searchina.net/id/1527579

韓国人学生、「学術的文章が理解できなくなっている」
・・・原因は漢字レベルの低下=中国報道



 中国メディア・環球網は20日、韓国人学生の英語レベルが向上する一方で漢字レベルが低下し、漢字語が中心に用いられている学術的文章が理解できなくなっているとする、韓国メディア・亜州経済の報道を伝えた。

 記事は、韓国では1990年より極力漢字を使わずにハングル文字ですべて表記する風潮が起こり、現在では一般的な韓国語の文章中で漢字を使う機会はほとんどなくなったと紹介。
 日常生活では韓国固有の言葉や外来語が多用されるものの、韓国語の単語の約半数は漢字語からなっており、公式な場面や学術界では漢字語が多用されているとした。
 学術的文章では90%が漢字語で占められているという。
  そのうえで、漢字の地位低下を危惧したソウル市教育長が今年、約3000万円を支出して小中学校における漢字教育強化に乗り出そうとしたことを伝えた。
 一方で、同市議会が「漢字教育強化は韓国語教育の発展を妨げる」として予算の一部を削減させたことを併せて紹介した。
  韓国教育放送公社の関係者は
 「言語理解力を高めるためには、漢字の基礎が必要。高い漢字レベルがあって初めて漢字語が理解でき、自己の思考能力を高めることができる」
とコメントした。
  自前のハングル文字で極力漢字を排除したいという民族的な独立意識と、漢字文化の影響を否定できない現実。
 韓国の教育界は大きなジレンマを抱えているようだ。




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